ワックス制作とは、鋳造(ちゅうぞう)の工程を持つ、複雑なデザインを効率よく進めるために行われる制作方法です。ワックスはロウソクのような柔らかい素材でできているので、難しいデザインのものでもスピーディに形成することができるのです。
| 例えば、立体的なイニシャルが入ったものはワックス制作でお作りすることになります。マリッジリングのようなペアリングの場合、二本を重ね合わせると何かモチーフが現れるデザインが多いためでもあるのですが、制作は二本同時進行で進められていきます。 |
| まず必要な巾のワックスを二つカットし、それぞれサイズが出た後、無限のフォルムへと形成されていきます。ここで重要なのは完璧な無限の形であること。計算されたとおりのフォルムでなければ、デザイン画の原寸と狂ってくるからです。わずかなカーブの狂いも認めず、各サイズでの無限の正確さが求められます。 |
お客様の大切な想いが入ったデザインです。当然のことですが、だいたいのイメージで制作するわけにはいけません。しっかりとデザイン画を読みとり、ワックスにデザインを正確に描き写していきます。このデザイン画とのチェックを厳しく行いながら、削り進めていく工程へと続きます。
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| 立体イニシャルの場合、リングにのせたように見えますが、実際にはイニシャルの周りを削り落とすことによって立体的に浮かせています。この立体イニシャルが90度の垂直な壁を持ちつつ、全てのカーブになじませる技術は非常にこだわっている部分なのです。こうして細部まで精密に仕上げられたワックスが完成すると、それがまさにプラチナなどの貴金属へそっくり姿を変える「鋳造」の瞬間を迎えます。 |
埋没材の中にできた空洞の中に高温で溶解した貴金属を一気に流し込む工程を「鋳造」(ちゅうぞう)といいます。湯口とよばれる小枝のような棒をつけたリングなどをツリー状にし、筒の中に入れて石膏で固めてしまうのです。その石膏を電気炉に入れ焼成すると、中にあったツリーは高温によって溶けて無くなり、空洞のある石膏となるわけです。空洞へ溶けた貴金属が流し込まれていくことで、貴金属でできたツリーが誕生するのです。
機械的な作業で単純に聞こえますが、ワックスの予備が用意されているわけではないので失敗は許されない工程ですし、湿度や気温にも左右されてしまうとても繊細な工程です。職人の熟練した確かな目と見極め、高い技術によって初めて貴金属として生まれてくるのです。 |
| 鋳造後のリングは表面にざらつきがあり、そのままではジュエリーとしての美しさはありません。正確にサイズをもう一度確認し、打刻後そのざらつきをとって磨いていくことでジュエリーと呼べるものになるのです。この磨きという仕上げの工程は地金制作にも共通する工程で、ここからは地金制作の技術が活かされてきます。「磨き」という最終工程を終えることで、かつてワックスであったリングが貴金属として価値ある物となるのです。 |

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